相模原市障害者殺傷事件に対する報道について


大阪精神障害者連絡会
代表 山本 深雪


私達は、1992年大和川病院での患者暴行事件が明らかになった年に「ひとりぼっちをなくそう」と声をあげた精神障害者のネットワークです。この度の報道の在り方に、池田小学校事件の後と同様のことが起こらなければよいがと危惧の念を抱いています。

 今月26日未明の障害者施設(定員160人)で発生した多数の方々への殺傷事件につき亡くなられた方々へのご冥福と、傷ついた方々へのお見舞いを申し上げます。私達も報道を見て想像するだけで、どれだけか痛く、苦しく、怖かっただろうと心が痛んでいます。

 報道によれば、加害者は「意思表示できない重度の障害者に対してやった」「安楽死をした」と警察に話していると伝えられています。「障害者はいなくなればいい」という彼の意見が幾度も流されることは、報道を見聞きする障害者にとって、憤りと強い不安と恐怖を抱かせるものです。何のコメントもなしに流してよいとは到底おもいません。
 
それと同時に鑑定が行われその結果が出る前に、加害者の入院歴が、あたかも事件を起こした動機・理由と関連あるかのように報道されています。事件の全容が明らかになっていない時の報道のあり様として疑問を抱きます。精神科入院歴のある者は、地域社会で暮らしています。精神障害者があたかも危険であるかのような偏見を拡大する事件報道であっては困ります。

 具体的には、措置症状が消失した後まで強制入院を求める意見が述べられています。これでは、世界の非常識と言われる日本の強制入院患者の多さを一層助長することになってしまいます。また退院後の監視体制について、さらに精神医療を治安の道具として使おうとするような議論を無責任に垂れ流す行為は、厳に慎まなければなりません。そもそも「これから人を殺したい」といった人が全員精神医療の対象とすべきであるような報道は誤りです。

 加害者1人の行為をもって、今後の精神障害者全員の施策にすり替えようとする議論の方法ではなく、優生思想を確信するあまりのあってはならない個別犯罪として扱うべきです。
以上、報道関係者に強く要望します。






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